院長ブログ

山本耳鼻咽喉科(東京都町田市)院長によるブログ。
花粉症(アレルギー性鼻炎)と市販薬(OTC)
花粉症(アレルギー性鼻炎)の患者さんから「薬局で売っている薬ではだめなのか?」と質問されることがあります。薬局などで購入できる一般用医薬品はOTC(Over The Counter Drug)と呼称されていて、医師の処方せんがなくても購入することができます。医療機関を受診する手間がなく、手軽であるのが大きな利点といえます。我が家でも突然の感冒などで購入することがあります。
ただ花粉症に対してOTCがどうなのか、正直な所YesかNoか即答はむずかしい部分があります。

私的には鼻炎薬を選択する際には「薬との相性」が重要だと考えています。鼻炎薬の効果は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善に他なりませんが、副作用の「眠気、だるさ」があるのも事実です。要は薬の効き目と副作用のバランス、ということになります。この「バランス」というのはやっかいで、同じ薬でも個人差があり、実際に投与してみなければわかりません。

実際に当院で花粉症の処方をする時は、相性の良い薬を見つけることがテーマになります。
具体的には問診→診察後、薬に対する要望(眠気は絶対にマズいとか、眠気は仕方ないから楽になりたいとか)を参考にして投与薬(医療用医薬品)を決定します。初回は1〜2週間くらい様子を見て「相性」を確認、問題ないようなら1ヶ月分まとめて処方する、といった感じです。病院で処方される抗アレルギー薬は、OTCよりも種類が豊富です。いくつかのジャンルに分かれていて、作用機序の異なる薬を組み合わせて使用する事により相乗効果で効果を高めるなど、工夫することもできます。選択肢は多岐にわたり、花粉症とじっくり向き合えるのが利点です。

こんな事を書いてしまうと、「OTCってだめなの?」と思われてしまうかもしれません。お断りしておきますが、私はOTCを全否定するつもりはありません。ただ、闇雲に購入するのではなく、どのような特徴がある薬なのかを事前に理解しておくのがベターでしょう。最近は比較的新しい薬も販売されるようになりました。以前に比べると選択肢が増えています。
病院で処方される抗アレルギー剤に近いものをピックアップしてみました。

「スカイナーAL」 エーザイさんのHPへ
医療用医薬品では「アゼプチン」
アゼプチンは一昔前に普及していた薬剤で、私が研修医の頃多用していた。最近はあまり使われない。効果は期待できるが眠気は比較的強い
「ザジテンAL鼻炎カプセル」 ノバルティスファーマさんのHPへ
医療用医薬品では「ザジテン」
アゼプチンと同様で最近はあまり使わないことが多い。効果は期待できるが眠気は比較的強い
「アレジオン10」 エスエス製薬さんのHPへ
医療用医薬品では「アレジオン」
これも昔からある薬剤だが、現在でも多用されている。1日1回投与ですむ。効果はマイルド、眠気は少ない
「アレグラFX」 久光製薬さんのHPへ
医療用医薬品では「アレグラ」
比較的新しく、私もクリニックで多く処方している。業界ではシェアナンバーワン。眠気は少なく効果もほどほどでバランスがよい

こんな感じです。
この中でのお勧めは新しくてバランスの良い「アレグラFX」になるのでしょうか。ただ効果が若干マイルドです。「アレグラFX」単剤では効果が不十分という事態も考えられます。その際には「スカイナーAL」もしくは「ザジテンAL鼻炎カプセル」なども候補にあがります。ただどちらも眠気の可能性があるので、気になる方は、朝は「アレグラFX」にして、就寝前に「スカイナーAL」もしくは「ザジテンAL鼻炎カプセル」という選択もアリかもしれません(つまり朝はマイルドで眠気の少ない薬、就寝前は効果はより期待出来るが眠気も出やすい薬、という作戦)。ちょっとマニアックですね。

あくまで私見なので参考程度にしてください。

結論
「OTCは簡便に花粉症対策が行えるのが利点である。しかし薬剤選択の幅は医療用医薬品に及ばない。自分にとってより良い鼻炎薬を選択するには医療用医薬品に軍配があがる。また今年のように大量飛散が予測される年には、OTCだけでシーズンを乗り切るのは現実的に無理があるようにも思う」
いかがでしょうか?

時間があるなら耳鼻咽喉科を受診しましょう。OTCは受診までの「つなぎ」程度に利用するのが無難でしょう。
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